真夏のラーメン屋さんに物申す。
この週末、家族で連れ立ってお出かけをした。目的地は、新潟県内でも最大級の広さを誇る「イオンモール新潟南(亀田のイオン)」だ。
今回の当初の目的は、東京から進出してきたという「美味しいりんご飴」を堪能すること。しかし、現実はそう甘くはない。結局は、いつものように子供二人の「終わりのない買い物」に付き合わされ、膨大な時間を消費するお決まりのコースへと引きずり込まれた。
今の子供たちが持つ情報量は、私たちの少年時代とは比較にならない。YouTubeという強力な情報源から、最新のトレンドや玩具の情報を余さずキャッチしている。こちらが「予算は2000円まで」と釘を刺していても、彼らは悪びれる様子もなく4000円、5000円の品を持ってくる。 そこから始まるのが、親による「大人の屁理屈」の波状攻撃だ。「一度買ったらおもちゃの墓場行きになるようなものは買わせない」という信念のもと、根気強く、かつ執拗に説得を続ける。これこそが親としての重要任務であり、忍耐の限界を試される大仕事なのだ。
ようやく買い物を終えてイオンを出る頃には、心身ともに疲弊していた。せっかくここまで来たのだから、夕食にラーメンでも食べて帰ろうと家族の意見が一致した。 そこで選んだのは、普段なら冬場にしか訪れない、ある人気店。「この夏にあえて食べてみますか」と、期待を胸に店へと向かった。
だが、店の扉を開けた瞬間、家族全員がその異様な空気に絶句した。
外気温が38度に達する新潟の猛暑日だというのに、店内のエアコンがまったく効いていないのだ。それどころか、厨房から立ち上るラーメンを茹でるための熱い湯気が店内に充満し、湿度は限界を突破している。一歩踏み込んだだけで、全身の毛穴が悲鳴を上げるような過酷な環境だった。
店員に席まで案内されてしまった手前、今さら「やっぱり帰ります」とは言い出せない。 普段、40度を超える工場現場で働いている私だが、せっかくの休日にわざわざ暑い場所に身を置くことほど嫌いなことはない。入店前にこの状況がわかっていれば、間違いなく暖簾をくぐることはなかっただろう。「なぜわざわざ新潟(の街中)まで出てきてしまったんだ……」という後悔の念が頭をよぎる。
ラーメンが運ばれてくるまでの時間は、まさに家族全員による「我慢大会」だった。滴り落ちる汗を拭いながら、誰一人として言葉を発しない。 ようやく届いたラーメンを口に運ぶ際も、会話は一切なし。ただひたすらに、己の限界に挑むかのように麺を啜り続ける。その完食スピードは、これまでの外食人生の中でも間違いなく最速だった。
店を出て、逃げ込むように乗り込んだ帰りの車内。エアコンを最強に設定しても、一度高まった不機嫌の温度はなかなか下がらない。家族全員、口には出さないものの、明らかに「超絶不機嫌」のオーラを纏っている。せっかくの休日、最後がこれではあまりに報われない。
全国の、いや、せめて新潟のラーメン屋さんに切にお願いしたい。 もしこの猛暑の中で空調が故障しているのなら、どうか、どうか店の入り口に大きく「空調故障中!」という張り紙を出してはいただけないだろうか。
客側には、その「灼熱の試練」に挑むかどうかの選択権が欲しいのだ。 そんな、やりきれない40歳の夏のひとときであった。