今年の目標に掲げている「日常に新しい風を取り入れる」取り組みの一環として、今日は妻と一緒に羊文学のライブへ足を運んだ。結論から言えば、もう「最高」の一言に尽きる。あっという間の2時間、僕たちは日々の暮らしから遠く離れた、美しく幻想的な世界へどっぷりと浸らせてもらった。
そもそも、僕が羊文学というバンドを知ったのは昨年の夏のことだ。たまたまテレビで放送されていたフジロックフェスティバルの映像を、画面越しになにげなく眺めていた。そこに現れたのが彼女たちだった。繊細でありながら芯のある歌声、空気を切り裂くようなギターの重厚なサウンド、そして圧倒的な世界観。あの瞬間に、僕は一気にその音の渦へと引き込まれてしまったのだと思う。
とはいえ、僕自身は根っからのファン歴が浅く、普段からどちらかと言えば感情の起伏も薄いタイプだ。何かと理由をつけては億劫がり、自分から新しい行動を起こすことに対してはいつも腰が重い。そんな自分が、なんと4ヶ月も前からチケットを申し込み、スケジュールを調整し、今日という日を心待ちにしてライブ会場まで出かけて行く。少し前の自分なら絶対に考えられないことだし、我ながらその行動力には今でも驚いている。
ライブが始まると、そこはまさに現実から切り離された異空間だった。ステージに立つ彼女たちの姿を目にした瞬間、胸がすっと締め付けられるような感覚を覚えた。羊文学…女神のような神々しさがありました。
暗闇の中に浮かび上がる光と、ステージから放たれる圧倒的な音圧が、全身の細胞を一つひとつ揺らしていく。特に激しく身体を動かして暴れたわけではない。けれど、静かに、しかし確実に胸の奥から湧き上がる興奮と熱量は、会場の誰よりも高かったと断言できる。音楽が鳴り響いている間、僕は身体も心も完全に羊文学の世界へと酔いしれていた。日々の仕事や日常の些細な悩みなどどこかへ吹き飛んでしまい、ただただその美しい音と光の波に身を委ねていた。素晴らしい時間を届けてくれた彼女たちに、心から「ありがとう」と伝えたい。
終演後、会場を出て夜の風に当たると、見慣れたはずの街の景色がどこか少し違って見えた。隣を歩く妻の表情もどこか晴れやかで、二人の間に漂う心地よい余韻も含めて、とても愛おしく特別な時間になったと感じる。
「日常と違うことを試してみる」という今年の試みは、間違いなく大成功だった。
自分の殻を破ってほんの少し一歩踏み出せば、これほどまでに心が深く揺さぶられる体験ができるのだと知った。感情が動くことの喜びを、久しぶりに肌でしっかりと感じることができた気がする。
羊文学がくれた最高の刺激と神々しい記憶を胸に抱きつつ、次はどんな「日常と違うこと」を探そうか。まだ行ったことのない街をふらりと歩いてみるのもいいし、今まで触れてこなかった新しい芸術や趣味の世界に飛び込んでみるのも面白そうだ。面倒くさがりな自分の背中を少しだけ押して、また新しいワクワクを見つけに行こうと思う。