近々、我々の部署に新メンバーがやってくるらしい。
新採用でもなく…中途採用でもない…社内で宙ぶらりんのTH君だ。
一緒にいる人間から反感をすごく買いやすい…TH君はとにかく人からいじめられる。
自分は入社しておらず聞いた話だが…
高卒新卒で入社して当初から先輩から手を出され、言葉でもいじめられボロボロになりながらモラハラ、パワハラ当たり前!な環境で奴隷のような7、8年過ごしていたらしいが、その先輩が退社を機に新しい年上後輩と一緒に仕事をするようになったらしい…(後の馬鹿課長のTCである。)
これで平穏が訪れるのかと思ったらそうではない。
最初は探りを入れられていたのだろう…優しかったらしいが、前の先輩がTH君を奴隷のように扱っているのを見ていたTCはすぐに豹変したらしい。怒鳴るやら、蹴るやら…前の先輩との生活と変わらない生活をまた7.8年続けたらしい。
その後は自分も入社して自分の目で見てきたが…
彼は今度こそ、年下後輩のI君と縁あって一緒に仕事をすることになった。
年下で後輩。経験も歴も大差。TH君が上下関係を必ず支配するものと思い見ていた。
…なんでかそうはならない…
最初はI君に先輩風を吹かせて過ごせていた。しかしI君、他の部署でもめごとを散々起こし、いくあてなく流れ着いたトラブルメーカーなのだ。
トラブルメーカーのI君、いじめ易い人間をかぎ分ける嗅覚はずば抜けている。
最初は小さな落ち度を見つけて注意する。次のステップは間違うように誘導する。次のステップは失敗を周りに言って周る。それを繰り返す。そうするとTH君はどんどん、どんどん皆から呆れられ周りから孤立していった。
I君は時を見計らって「おめー!なめてんじゃねーぞ!しっかりしれや!」
勝負あった瞬間である…
そこからTH君の地獄の再開である。
一日中ことあるごとにやいのやいの言われ…
時には、いじめは一人がやりだすと増長する。複数人から怒鳴られなじられる姿も見るようになった。
極めつけは…機械の影でI君に殴られてるじゃないか…
もう今の時代だめだろう…一応上司には教えておいたが、救われる様子はない。
この会社は弱い人間はずっと苦しい思いをし続ける。そんな会社だ。
そんな感じでTH君の日常は現在進行形である。
そんな調教を受けているせいかTH君はいつも挙動不審である。
そして冒頭に戻るが、そんなTH君が我が部署にやってくる。
どうせ上はなまじ悪知恵に長けているI君から、自分らでTH君を助けることを諦め…俺にI君がTH君に近づかないための抑止力になれ。ってことなんだろうけどそう簡単にいくのだろうか?
まあ考えても仕方ない。なんか問題が起きた時に考えればいいや。
ものづくりの底辺はいろいろと歪んでいる…