我が社の常務TZ氏は化け物、怪物である。
悪い人ではないのかもしれない…でも一緒にいたら殺意がわくほどイライラさせられる。
歴代一緒に仕事をした人間は皆言う…「あいつは頭がどうかしてる!」と。
でも本当に悪い人ではない。
例えば、配管のバルブを回すためのレンチ、確かに長めに作られている。
普通の人なら回してどこかに干渉するようなら、差し変えて回すものだが…
彼にかかれば、そんなレンチは酸素でぶった切ってしまう。そして何事もなかったかのように「長かったっけに!切っといた!」と叫んで、颯爽と立ち去って行く。
立ち会った人間を唖然としてしまう。
また違う日には、取引先のトラックが品物の積み込みをしてエンジンをかけようとしたら、エンジンがかからなかった。バッテリー上がりだったらしい。
そんな時、普通の人ならブースターケーブルを繋いでエンジンをかけると思う。
しかし彼は違う。トラックを押すのである。
どこに移動させる必要もないのに、2トン車を押し出したのである。
まるでSASUKEの競技の様に彼はトラックを押し続けた。
他の人間は「危ないからやめろ!」と言うが彼はやめない。
そしてトラックを無駄に移動させた彼は足を引きずっていた。足を引きずりながら立ち去って行った。まるで映画の手負いのヒーローの様に。いや手負いの超人ハルクのようと言ったほうがいいと思うが…
やっている姿だけ見れば、映画のヒーローのようだが…映画のヒーローと違う部分は誰も必要としない仕事を勝手にやって怪我をしてしまうところだ。
医者の診断は肉離れ。
2度言うが、誰も望んでないことを勝手にやって怪我をしてしまうのである。
そして通常の業務に支障を出してしまう。その穴をあけた仕事は他の人間が迷惑をこうむるのだ。
悪い人ではないんだけど…
またこれは聞く話だが…その日は暑かったらしい。
仕事をしていたら汗だくになったとその人は言っていた。
そんな日に限って着替えを忘れてしまったとのこと。これは困ったな~と思っていたところに、それを見ていたのか、たまたまなのかTZ常務が現れた。
「着替え持ってくるっけに!待ってて!」と言ってTシャツを1枚持ってきてくれたそうだ。
…たまには良いことしてくれるんだな。と思って、ありがたくTシャツを使わせてもらい帰宅したとのこと。
しかし次の日会社に出勤すると、TZ常務が「昨日やったTシャツの代金2000円払ってくれ!」ときたそうだ。
どう見ても3枚1000円くらいのTシャツだったらしいが、使った手前ムカつくけど2000円支払った。とその人は言っていた。
それ以降、彼からの善意には甘えないようになったそうだ。
悪い人ではない…けども!
彼は数々のエピソード、伝説を起こしすぎていて全部書いていたら終わりが見えないので今日はこのへんにしておこう。